2013年11月29日金曜日

ATCコミュニケーションハンドブック ―滑走路誤進入を防止するためにー

本日開催された、管制・情報懇談会で、木下保志主幹航空管制官からご紹介のありました、「ATCコミュニケーションハンドブック ―滑走路誤進入を防止するためにー」は、こちらでご覧いただけます。

DVDもございます。
貸し出しを希望される方は、west@japa.or.jpまでご連絡ください。

2013年11月28日木曜日

舞洲ヘリポート5NM・Below1500ftは、大阪フライトサービスにコンタクトを!

舞洲ヘリポートから5NM・Below1500FTを飛行する際は、大阪フライトサービス、周波数130.8MHzにコンタクトされることを強く推奨します。

同空域を飛行するほとんどの航空機は、大阪フライトサービスとコンタクトしていますが、ノーコンタクトの航空機もいます。その航空機とは連絡がとれないため、動きが分からず、不安全要素となっています。

境目は1500ftです。1500ftを境目に、上は関西TCA 121.1MHz、下は大阪フライトサービス 130.8MHzにコンタクトされることを、強く推奨します。


説明資料
第26回近畿地区管制・情報懇談会 「空中衝突防止のため大阪フライトサービスにコンタクトを!」

2013年7月16日火曜日

Yes I Can 航空教室 支援

公益社団法人日本航空技術協会公益社団法人日本航空機操縦士協会が主催する、『Yes I Can 航空教室「関西地区」』が、6月30日、大阪国際空港ターミナルビルで開催され、西日本支部支部委員2名が支援いたしました。

この航空教室は、航空知識の啓蒙と普及、将来航空に携わりたいと考えている方々に航空に対する関心を深めていただくことを目的とし、全国各地で開催しています。

旅客機のパイロット、整備士さん、キャビンアテンダントさん、グランドハンドリングスタッフさん、グランドスタッフさん等、空港で働く方々が、仕事の内容の紹介、質疑応答、グループミーティングを行いました。

ANA大阪空港・木村さんによる、マーシャリングのデモンストレーション。
 
 

グループディスカッションでは、空港で働くいろんな職種の方と交流。

70名の方にご参加いただきました。

2013年7月4日木曜日

小型航空機における積載物の安全確保について

航空局より次の通知が届きました。

[要旨]
運輸安全委員会は香川県に不時着したヘリコプターに関する航空事故調査報告書(説明資料)を公表した。

航空機の整備作業等のため航空機に搭載される物件の中には、爆発物に該当する物件が多く含まれている。(例:スプレー式の潤滑剤、洗浄剤等)
「航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示」を確認し、基準に従い輸送すること。

航空機内に荷物を積載する場合、ネット等による移動防止措置を講じること。
機長は積載物が移動しないことを確認すること。

小型航空機における積載物の安全確保について(平成25年6月28日、国空航第248号)

2013年5月16日木曜日

飛行神社 航空安全祈願大祭参列

2013年4月29日、飛行神社 航空安全祈願大祭に、西日本支部委員3名を派遣しました。

飛行神社は、愛媛県八幡浜市出身で、飛行原理を発見した二宮忠八翁が、飛行機事故殉難者の御霊をお祭りするために、京都府八幡市の自宅地内に創設した神社です。
以後、遺志遺徳を引継ぎ広く航空業界の安全と発展を願っています。

二宮忠八翁が動力飛行機の飛行を成功させた4月29日に航空安全祈願大祭が行われており、遺族や航空関係者が毎年多数参列しています。
航空事故殉難者・航空先覚者の御霊をお迎えするとともに、航空界の更なる安全と発展を祈念しました。

2013年3月28日木曜日

航空安全セミナー支援

公益社団法人日本航空機操縦士協会(JAPA)GA委員会が主催する、航空安全セミナーが、3月23日、八尾空港・朝日航洋株式会社で開催され、西日本支部支部委員3名が支援いたしました。



航空安全セミナーは、通常、JAPA東京本部で開催していますが、今年は八尾での出張開催となりました。

小西正人講師より、「飛行方式設定基準、チャート判読、RNAVの基礎知識と概要について」の講義が実施されました。
プログラム

来年度以降も、八尾で定期開催できればと考えております。
開催が決定すれば、JAPA本部HPまたはJAPA西日本支部HPでご案内いたします。

2013年3月26日火曜日

5月2日、八尾空港目視位置通報点、天王寺廃止、阿倍野筋新設

八尾空港の目視位置通報点(ビジュアルレポーティングポイント)が、2013年5月2日に改正されます。

廃止→ 名称:天王寺 場所:JR天王寺駅
新設→ 名称:阿倍野筋 場所:阿倍野霊園

JR天王寺駅の隣に、高さ300mのあべのハルカスが建設されるため、目視位置通報点見直しとなりました。

阿倍野霊園は、あべのハルカスの南南西約600m。
大きな霊園ですので、すぐ見つけられると思います。

AIP


大きな地図で見る

2013年3月9日土曜日

TCAS安全報告(会員ページ掲載)

公益社団法人日本航空機操縦士協会(JAPA)会員ページに、「TCAS安全報告」が掲載されました。
EUROCONTROL(欧州航空航法安全機構)が提供するTCAS安全報告を、JAPAビジネス航空委員会が和訳した物です。
https://www.japa.or.jp/insider/

日本でもTCAS RA事例が多数発生しております。
TCAS RAが発生した場合、航空法第111条の4の規定により、航空事業者は航空局に報告を行います。
TCAS RAに基づく回避操作が平成24年度上半期に106件あったことが、航空局ホームページで報告されています。
http://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000188.html

JAPA西日本支部管内でもTCAS RA事例が発生しております。
例えば、八尾空港を離陸し南東へ向かう小型機がどんどん上昇し、大阪空港へアプローチする定期便のTCAS RAが作動した事例等。


JAPA西日本支部では、TCAS RA事例をなくすため、管制情報懇談会において、TCASに関する勉強、TCAS RA事例紹介、VFR機の飛行方法の提案を行ってきました。


今回掲載された「TCAS安全報告」をご覧いただき、TCAS RAがどのような時に作動するのか、またTCAS RAが作動させないためにVFR機はどのように飛行すべきかを、今一度ご確認いただければと思います。

2013年3月7日木曜日

小型航空機安全セミナー・西日本支部総会・懇親会終了


公益社団法人日本航空機操縦士協会 西日本支部共催の小型航空機安全セミナー・西日本支部総会・懇親会が、3月3日、大阪市・ドーンセンターで開催され、33名の方にご参加いただきました。
西日本支部総会では、全ての議案が可決されました。

ご参加いただきましたみなさま、大変おつかれさまでした。
講師のみなさまにも大変お世話になりまして、ありがとうございました。

小型航空機安全セミナーと西日本支部総会の模様は、Ustreamでご覧いただけます(一部)。

主催者あいさつ 公益社団法人日本航空機操縦士協会 会長 大内学 Ustream
特定操縦技能審査にチャレンジ 必勝法解説 公益社団法人日本航空機操縦士協会 西日本支部長 若谷哲也 Ustream 資料
西日本支部総会 Ustream

八尾空港における地上滑走指示の変更について(再変更)

八尾空港では、RWY09/27をA RWY、RWY13/31をB RWYと言っています。
しかし管制上では、A RWY、B RWYと言うのをやめ、RWY09/27、RWY13/31と言うようになりました。

2012年9月16日に掲載した「八尾空港における地上滑走指示の変更について」では、A RWY、B RWYという言い方をしておりましたが、これもRWY09/27、RWY13/31で言うようになりました。

その記事を修正し、再度掲載します。

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平成24年9月20日に管制方式基準が改正され、「TAXI TO HOLDING POINT ~.」という新しい管制用語で、地上滑走の指示が出されることになります。
詳細はこちらをご覧ください。
http://japawest.blogspot.jp/2012/09/blog-post.html
http://japawest.blogspot.jp/2012/08/taxi-to-holding-point.html


八尾空港では、次の例のような形で地上滑走の指示が出される予定です。

【RWY09の場合】
グランド:JAxxxx,YAO GROUND,RWY09,WIND 090 AT 12,QNH2992,TAXI TO HOLDING POINT (A4).CONTACT YAO TOWER 124.35 WHEN READY.

パイロット:JAxxxx,RWY 09,QNH2992,TAXI TO HOLDING POINT (A4).CONTACT YAO TOWER 124.35 WHEN READY.

パイロットは、RWY09手前のA4上で停止し、ランナップを完了後、タワーにレディーを通報します。


【RWY27の場合】
グランド:JAxxxx,YAO GROUND,RWY27,WIND 270 AT 12,QNH2992,TAXI TO HOLDING POINT B1,HOLD SHORT OF B-RWY RWY13/31.CONTACT YAO TOWER 124.35 APPROACHING B1.

パイロット:JAxxxx,RWY27,QNH2992,TAXI TO HOLDING POINT B1,HOLD SHORT OF B-RWY RWY13/31.CONTACT YAO TOWER 124.35 APPROACHING B1.

B1に近づいたら、パイロットはタワーにコンタクトします。

パイロット:YAO TOWER,JAxxxx,APPROACHING B1.

タワー:JAxxxx,YAO TOWER,ENTER B-RWY RWY13/31,HOLD SHORT OF RWY27.REPORT WHEN READY.

パイロット:JAxxxx,ENTER B-RWY RWY13/31,HOLD SHORT OF RWY27.REPORT WHEN READY.

タワーからENTER B-RWY RWY13/31の指示がなければ、B-RWY RWY13/31手前のB1上で停止します(RWY13/31に入ってはいけません)。

タワーからENTER B-RWY RWY13/31,HOLD SHORT OF RWY27.の指示があれば、B-RWY RWY13/31に入り、RWY27手前のB-RWY RWY13/31上で停止し、ランナップを完了後、タワーにレディーを通報します。

御坊VOR廃止

2011年6月30日に廃止された信貴VOR、2011年7月28日に廃止された高松VORTACのVOR部分に続き、2013年3月7日に御坊VORが廃止されました。
あわせて航空路等の改正も実施されました。

正式な情報はAIPをご覧ください。

2013年2月19日火曜日

第3回関西ブロック合同管制技術交流会報告

第3回関西ブロック合同管制技術交流会が、2013年2月8日(金)、大阪航空局関西空港事務所で開催され、西日本支部支部委員3名が参加しました。




「空港長あいさつ」
大阪航空局関西空港事務所 長谷川浩空港長

安全で効率的な運用、航空局・運航者、立場は違えども向いている方向は同じ。
意見を交換し、改善の種になれば。


「管制方式基準の改正について」
航空局交通管制部管制課 原田毅彦管制調査官

平成15年に、管制方式基準改正ワーキンググループを立ち上げた。
ICAO準拠、現状に合っていない物の改正、新しい技術への対応を行っている。
メンバーは23名。
月1回ミーティングを開催。
事務局である東京港空港事務所の3名が、改正案を作成。

RNP AR進入方式の導入が進んでおり、4月には松山に導入予定。

RNAV進入方式ではレーダー監視が必須。
旭川でRNAV進入方式許可後も、札幌ACCが監視を継続するよう改正。

滑走路誤進入防止対策を進めている。
ハード面では、滑走路状態表示灯(RWSL)システム設置、マルチラテレーションによる位置監視、滑走路占有監視機能等。
ソフト面では、復唱要領の制定等。

復唱要領を管制方式基準とAIPに掲載。リンク

無線を使い続ける限り、齟齬防止は永遠の課題。
ATCコミュニケーションハンドブックを作成し、齟齬をなくす方法を掲載した。リンク

滑走路手前における待機指示について復唱がない場合に使用する用語を、FAAを参考に制定した。

地上滑走の指示を変更した。
地上滑走の指示をした場合、日本では滑走路に入る航空機はいないが、世界ではそうでない例もある。リンク

「インターセクションディパーチャーアプルーブ」と聞いて、滑走路に誤進入したケースがあり、ディパーチャーという言葉を使わない用語に変更した。リンク

東京レディオとATMCの間で行う洋上管制に関する連絡は電話で行っていたが、文字で行えるよう改正した。リンク

レーダーシステムの改良に伴い、ACCにおける管制間隔測点の変更を行った。

3月7日から関空でCDO( Continuous Descent Operation)が開始される。

フローコントロールの精度向上のため「リリースアフター(時刻)、VIFNO(時刻)」という言い方が試行され、2~3年後に施行の予定。


「発展し続ける関西進入管制区」
大阪航空局関西空港事務所 海住悦司主幹航空管制官

関西進入管制区再編2段階目が3月7日に実施される。
進入管制区が西側に一部少し広がる。
V28を西へ飛ぶと、管轄が関西ACA・東京ACC・福岡ACCとなるが、関西ACAから直接福岡ACCになる。
南東側を東京ACCに移管し、セントレア到着経路を北に上げる。

関空の交通量、月9000機だったのが、LCCの就航で月11000機まで増加。
FEDEXの拠点化でスポット増設中。
交通量はさらに増える見込み。

大阪の滑走路、32Rから離陸していたB737・A320・E170が32Lからの離陸に変わる。
空港内でより高度を稼げることで、空港外への騒音を軽減する。


「事前の質問とその回答・質疑応答」

運航者:TCAS RA防止のため、VFRはどのように飛行すべきか?
管制:IFRとの安全な共存のためには、TCAサービスは非常に有効である。

運航者:VFRが飛行する際、特に注意して欲しい点は?
管制:パイロットの意図を管制官に明確に伝えていただきたい。特に針路、高度を変更する場合は事前に通報を。

運航者:高松TCAが関西TCAになったが、TCAの空域は分かれたままで、空域をまたいで飛行すると、TCAアドバイザリーが途中で中断される。
管制:レーダー等の施設は以前のまま。家島付近のMVAは5000~6000ft。レーダーに映らないとハンドオフできない。レーダーに映っていればDBCがそのままでハンドオフできる。

運航者:梅田上空、PCAの上での飛行が許可されなかった。
管制:大阪到着機だけでなく、出発機が接近する可能性がある。混雑する場合は、一時飛行を遠慮してもらう場合がある。地図にPCAは表示されているのか?
運航者:表示される機種もある。
管制:VFRの飛行予測は難しい。どういう動きをしても対応できるようにせざるを得ない。

管制:関空の滑走路選定、10ktのテールまではRWY06、超えればRWY24。管制官がファイナルの風を聞く時は、滑走路選定に迷っている時。
運航者:RWY06の方が、効率的にも騒音対策的にも良い。

管制:ファイナルでの滑走路変更、何フィート位までなら対応できるであろう、というような目安は持っていない。
運航者:低高度で滑走路が変更になった場合、FMSはそのままで、変更された滑走路に着陸することも。ゴーアラウンドしたら管制はどうする?
管制:アプローチクリアランスを与えた状況から、ビジュアルマニューバーに切り替えているので、ミストアプローチコースを飛行させることはできず、ゴーアラウンドになる。レーダーと調整して、HDG・高度を指示する。

管制:ゴーアラウンドした場合、理由を尋ねている。後続機に伝えるため、シビアな状況なら支援体制を取るため、運航情報官からの問い合わせに対応するため。理由を尋ねるのは、どのタイミングが良い?
運航者:L NAVを入れた後位に、ゴーアラウンドとその理由を通報するようにしている。
運航者:WXゴーアラウンドならすぐ言える。システムトラブルの場合、対応に忙殺されすぐには言えないことも。
運航者:VISI悪い時にゴーアラウンドしたら、見えなかったんだなと想像する。風が強い時にゴーアラウンドしたら、ウインドシアがあったんだなと想像する。理由が分からなくても影響はない。

管制:マイクロバーストが発生すると「マイクロバースト」という明確な音と画面表示があり、必ず分かるし、パイロットへも必ず伝える。
運航者:管制官からのマイクロバーストのレポートは、着陸可否の判断になる。

運航者:関空へ東から来るとワイドベクターされることが多い。
管制:東から来る機体だけをベクターしている訳ではない。
管制:アプローチにコンタクトした順番とは限らない。GS・WX・騒音等から、総合的に判断している。
管制:現在位置から任意の場所までの飛行時間をレーダー上で計算できる。シーケンスは時間で決めている。AJE、MAYAH、MIDOHに1番早く着ける機体が1番。

運航者:KANSAI REV DEPで早く高度を獲得するとDirect KNEが期待できるか?
管制:騒音軽減のためKNEを8000ft以上で通過する必要がある。さらに11000ftの大阪到着機があったりすると、KNE9000ft以上をリクエストする。

運航者:大阪のみで使っている「HOLD SHORT OF STOP LINE」は止めるべき。
管制:全国で滑走路誤進入が頻発した頃、大阪でも発生した。どうやって防止するかを検討した結果のスペシャルオペレーション。導入以降、大阪では滑走路誤進入が発生していない。管制官、パイロット、ソフト、ハードの整備をした上で、年単位先になるかもわからないが、スペシャルオペレーションは解消したい。

2013年2月18日月曜日

運輸安全委員会ダイジェスト 第6号


運輸安全委員会の刊行物「運輸安全委員会ダイジェスト 第6号 事例紹介号」が発行されました。

内容は・・・
・事故調査事例(船舶)
・重大インシデント調査事例(航空)
・重大インシデント調査事例(鉄道)

事故防止分析官は次のように締めくくっています。

「過去に同じ事業者あるいは同じ業務において、事故等につながる類似の「危険」が経験されております(詳しくは報告書をご参照下さい)。しかし、その経験に基づいて対策が検討されたものの、実施が徹底されていなかったことなどが、これらの事案発生の背景にあると考えられます。過去の経験から得られた教訓を確実に同種事故等の再発防止に活かすことは、どのモードにも共通する必須の課題と言えるのではないでしょうか。」

詳細はこちらでご覧いただけます。

滑走路誤進入に関しては、昨年11月に開催した管制・情報懇談会でも取り上げています。
第25回近畿地区管制・情報懇談会ダイジェスト「続発する滑走路誤進入」
どのようすれば滑走路誤進入を防止できるか、みなさんも今一度考えてみられてはいかがでしょうか。


ビスマルクは言いました。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」。
パイロットは経験で学んでいたのでは、命がいくつあっても足りません。
運輸安全委員会HPに掲載されている歴史、つまり過去の他人の失敗から学ぶことが、安全への一歩となります。

運輸安全委員会ダイジェスト紹介事例一覧【航空事例】

2013年2月13日水曜日

JAPA団体長期障害所得補償保険制度のご案内

公益社団法人日本航空機操縦士協会が、会員の福利厚生制度の一環として導入いしている、JAPA団体長期障害所得補償保険制度は、ケガや病気によって長期間パイロット業務に従事できなくなったときの所得を補償する制度です。
この制度により、業務に従事できない間、最長で60歳まで所得補償を継続して受けることができます。 

加入資格は、公益社団法人日本航空機操縦士協会の会員ご本人で、パイロット業務業務による勤労所得がある、満20歳以上満64歳未満(長期型所得補償保険の場合は満59歳以下)の方です。

詳細はJAPA本部ホームページでご確認ください。

2013年1月30日水曜日

操縦教育証明学科試験が記述式から択一式へ

操縦教育証明学科試験の出題形式が、平成25年7月期より択一式に変更されます。
詳細はこちらをご覧ください。

また、操縦教育証明受験指針を網羅した「操縦教育証明ハンドブック(仮称)」が4月頃、JAPAより発行されます。
実地試験合格へ向けた勉強を、強力にバックアップします。

2013年1月29日火曜日

運輸安全委員会ダイジェスト 第5号

運輸安全委員会の刊行物「運輸安全委員会ダイジェスト 第5号 航空事故分析集 小型機事故の防止に向けて」が発行されました。

内容は・・・

・はじめに
・発生状況
・事故調査事例

  ・低い上昇率のまま雲中飛行中、経路上の山腹に衝突
  ・有視界飛行方式による飛行中、機長が地表を視認することができなくなったため、
   最低安全高度を維持できなくなり、尾根付近の立木に衝突して墜落
  ・着陸時に機体がバウンドし、プロペラ及び機体構造を損傷
・まとめ


詳細はこちらでご覧いただけます。

VFR Flight Into IMCと着陸時の事故が特に続発しており、注意が必要なことが分かります。

ビスマルクは言いました。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」。
パイロットは経験で学んでいたのでは、命がいくつあっても足りません。
運輸安全委員会HPに掲載されている歴史、つまり過去の他人の失敗から学ぶことが、安全への一歩となります。

運輸安全委員会ダイジェスト紹介事例一覧【航空事例】

2013年1月3日木曜日

第25回近畿地区管制・情報懇談会ダイジェスト

主催:八尾空港協議会・公益社団法人日本航空機操縦士協会(JAPA)西日本支部
日時:20121130() 13:1517:00
場所:八尾空港 朝日航洋株式会社 会議室



「シリーズ・同じ空域を飛ぶ仲間の相互理解 報道ヘリの飛行について」
朝日航洋株式会社 西日本航空支社 中園和秀操縦士


取材内容によっては、現場に10機を超える報道ヘリが集まることがある。
取材は、現場から半径500mから2000m、新聞社は1000ft、テレビ局は3000ftから行うケースが多い。
ハード面での安全対策は、衝突防止灯の点灯、VHF無線、TCAS等。
ソフト面での安全対策は、飛行方法の取り決め(右旋回、追い越さない、止まらない等)や122.6MHzでのコミュニケーション等。
現場に近づくと122.6MHzで「○○放送、現場まで3マイル、東から進入、2000ft」のようにコールする。すると取材中の他機が「○○テレビ、1200ftで取材中。他はいません」のような返事が来る。
「○○分すぎに生放送。ホバリングに入ります」と送信すると、周りの機体が協力して避けてくれる。
車で狭い道路を、急いで走っても、対向車がすれ違うのを待っても、時間的には大きく変わらない。しかし後者の方が気持ちいい。122.6MHzでのコミュニケーションもそう。声の掛け方次第。
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こんちには みさなん おんげき ですか? わしたは げんき です。
この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか
にんんげ は もじ を にしんき する とき その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば
じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて
わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。
どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?
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人間は、文字の最初と最後さえ認識できれば、中間はめちゃくちゃでも読めてしまう。また読もうと思えば1文字1文字読むこともできる。(講師は別の画像を紹介されていましたが、同じ物が見つけられなかったので、同じ文章をご紹介しました)
現場では報道機がひしめきあっているのかと思いきや、122.6MHzでうまくコミュニケーションすることで、全体像を捉えることができ、また個別の機体の動きも捉えることもでき、安全が確保されている。



「続発する滑走路誤進入」
公益社団法人日本航空機操縦士協会 西日本支部長 若谷哲也

使用資料

滑走路へ誤進入すると、航空機同士が衝突し、多数の人命が失われる可能性がある。
誤進入は、パイロットが原因の場合、管制官が原因の場合、両方ある。
人間の行動は「人間の特性」と「人間を取り巻く環境」に大きく影響される。
滑走路誤進入の原因を、人間の特性から分析した。35%が思い込む・あやふやなままほったらかす、19%が聞き間違え、19%が同時に複数のことができない(気になることがある)、14%が手を抜く。この4つだけでも87%。
「注意しましょう」だけではダメで、小松の様な事例が起きる。「滑走路の手前には停止位置案内標識がありますので、その先は滑走路です」の様に、知識を具体的に使う必要がある。
パイロットは、新しい情報を入手して、バックボーンまで理解して、運航の中で具体的にどう使うかまで考える。
あるのは危険だけ。知識と行動で危険を交わす。




「拡大した関西進入管制区 小型機と大型機の共存」
大阪航空局 関西空港事務所 海住悦司主幹航空管制官・澤田郁子主任航空管制官


平成24年5月31日に高松進入管制区が関西進入管制区に統合され、高松空港の管制官の一部が関西空港レーダー室に移り働いている。
高松と1年前に統合された高知は、管制官の資格が別である。
高松進入管制区が統合されたことで、西は広島進入管制区と接続した。管制部とも新たなセクターで接続することとなり、計11セクターと接続している。
統合により、業務・調整が円滑になり、運航が効率化されている。
合理的なIFR経路への再編も考えている。7月28日に一部経路が変更された。
関西進入管制区は、関西の出発機・到着機、大阪の出発機・到着機、八尾の出発機・到着機、神戸の出発機・到着機、岡山の出発機・到着機、高松の出発機・到着機、徳島の出発機・到着機、V28通過機等、多数のIFR機が飛行している。それらは経路・高度を分けて飛んでいるが、一部で交差する場所があり、うまく間隔をとらないといけない。JAPA西日本支部サジェスト:管制官の指示に従う。進路・高度の変更は管制官に伝えてから! パイロットの知らないところでIFR機と間隔を取っている場合がある。

TCAアドバイザリーを希望する場合、プラン18項に「RMK/TCA=RJBB時刻」を記入しておくと、DBC等が印刷された運航票(ストリップ)が事前にTCA席に出力され、スムーズにTCAアドバイザリーを受けられる。記入がないと、レーダー画面に機番を打ち込み、DBCを決定し、運航票も手書きするため、TCAアドバイザリー提供に時間がかかる。JAPA西日本支部サジェスト:TCAアドバイザリーを要求する時はプラン18項に「RMK/TCA=RJBB時刻」と記入する! 記入していないとレーダーに機番を入力してスコークを決定したり、運航票の作成が必要となり、管制官に負荷がかかる。
高松から離陸する場合「RMK/TCA=RJOT」ではなく「RMK/TCA=RJBB」となる。
TCAのアンテナは関西空港・大阪空港・高松空港に2つずつある。アンテナは空港にあるため高さが低く、航空機の場所によっては電波が地形でさえぎられることがある。航空機の送信がようやく聞き取れるような状況では、関西・大阪両方のアンテナをオンにし、より聞こえるようにしている。ところが両方のアンテナから送信される電波が干渉し、航空機側では聞き取りにくい状況いなってしまうことがある。
訓練空域での訓練機は、入域出域を紙に記録し、ATMCの端末にも入力している。通過機は入域出域を紙に記録している。
他の管制席に影響するVFR機がいれば、TCA席の管制官は、口頭・受話器・ヘッドセットで調整している。複数の管制席と調整する場合は、その都度同じ内容を伝えることになる。JAPA西日本支部サジェスト:無線は簡潔に! 管制官は無線以外に、他の管制官に私達VFR機の動きを連絡し、調整している。

飛行要望書はTCA席に置いている。他の管制席との調整が必要な場合、事前にコピーして渡しておくケースもある。
場所・高度により、どの管制席と調整するかが変わる。
例えば梅田で、1000ftならアプローチ席と大阪タワー、5000ftならディパーチャー席のように。


C1の調整先は、神戸管制席・関西席アプローチ(RWY24時)・関西席ディパーチャー
C2は、大阪席ディパーチャー、関西席ディパーチャー
C3は、大阪席ディパーチャー、大阪席アプローチ
C4は、大阪席アプローチ
C5は、関西席ディパーチャー、大阪席アプローチ


八尾のIFR機の経路が、どうしても都合が悪い場合、経路を変更することがある。交通流をさえぎる経路でなければ問題ない。
VFRが6500ftや7500ftで関西ACAを通過する場合、交通流をさえぎる経路でなければ問題ない。
VFR機が八尾を離陸して三宮方面へ飛行する場合、上昇を3000ft前後でいったん止めてもらう。大阪空港の出発機で上昇が緩やかな機体との間隔を取るため。JAPA西日本支部サジェスト:八尾を離陸したVFR機は、神戸・和歌山方面は高くとも3000ft、東方面は高くとも2500ft! ラインのTCAS RA動作事例が続発している。TCAに確認を取ってから上昇。
VFR機が場所を地名で言った場合、関西出身でない管制官は、どこか分からないケースがある。空港やVORからの方位・距離で言ってもらえばすぐ分かる。JAPA西日本支部サジェスト:航空機の位置は地名ではなく空港やVORからの距離方位で! 関西出身でない管制官は地名を聞いても分からない。

地名由来のFIXがある。例えば、KAMEO(亀岡)、HABIK(羽曳野)、SANPO(散歩ではなくサンポート高松)等。高知のYOSAKOI NORTH RNAV ARRIVALは、POPPY-JYAMU-BATAK-CHEEZ-ANPANとアンパンマンのキャラクターが並び、神戸のHANSHIN RNAV ARRIVALはBERTH-KAKEF-OKADAと阪神の選手並ぶ。
FIXの場所と由来の場所が離れているケースもある。例えば三田の駅はSANDAの西8NM、須磨海水浴場はSUMARの南東6NMのPCAの中等。パイロットが「淡路に行く」と言ったので淡路VORに行くのかと思えば、淡路島の北の方へ行ったケースも。
FIXで言う場合POINTを付加してSANDA POINTのように言うパイロットもいる。




「八尾空港の管制の特徴」
大阪航空局 八尾空港事務所 井筒繁夫主幹航空管制官


八尾空港の管制は、先任管制官1名、主幹管制官2名、管制官6名(内訓練生1名は監督者の下でOJT中)で行っている。
管制塔にはローカル席・FD席・グランド席がある。
TDSという関空からのレーダー画面がある。レーダーのアンテナは関西空港にあるため、距離が離れており、また地上物標の影響も受け、八尾のダウンウインドを飛んでいる航空機が映らないケースがある。
FDPSが配備され、IFR・VFRの飛行計画が抽出できるようになった。IFR機はEOBTの30分前に運航票(ストリップ)が印刷される。
オフィシャル滑走路の使用比率、27が79%、09が20%、31が1%、13が0%。
取扱機数は、1971年が8万機、1981年が6万機、1991年が8万機弱、2011年が4万機。
取扱機数は飛行機が1番だったが、1991年にヘリコプターが逆転した。
浅香・PL・王寺からの到着機は南側のダウンウインド(浅香は状況によっては北のダウンウインドも)、天王寺・東大阪からの到着機は北のダウンウインドを使用している。
王寺2000ft未満ではタワーで受信できないケースが多い。電波が聞き取りにくい航空機の場合、コンパスエリア付近のアンテナから、タワー付近のアンテナに切り替えると聞こえるケースがある。アンテナが地上にあるため、岩屋のRADIO CHECKも聞き取りにくいケースがある。
自衛隊B350が使用できるのはRWY09/27とG2のみ。RWY27で着陸したら、滑走路上をバックトラックしてG2に戻るので時間がかかる。
チヌークや5.7tを超える警察ヘリ等の離着陸は、アーミーヘリパッドではなく滑走路から。
滑走路とヘリパッドは同時離着陸。ただし経路が交差・重複しないよう指示している(交点で高度で差をつけるケースも)。
TGLは5回・5回で計10回まで。
グラスエリアでの離着陸は、A1からA2の間、B1からB2の間のみ。
IFRの管制承認は、経路がKRE・POPPYの航空機は関空経由福岡管制部に、それ以外は関空経由東京管制部へ要求する(これ以外のケースもある)。経路が管制部をまたぐ場合、管制部間で管制承認の要求・発出を行っている。多くの機関を経る場合、発出まで時間がかかるケースがある。
八尾から管制承認を要求すると、まずGND待機の指示が来る。航空機からレディーがかかると、GND待機の出発制限を解除してもらう。
八尾のSVFR、以前は関空から時間を指定して一括許可が出ていた。しかし八尾にSVFR機がいる場合、大阪はRNAVをしないことになり、一括許可の形ではなくなった。


「Taxi to holding point~」関連
ICAOの規定では、クリアランスにはクリアランスリミットがある。9月20日の管制方式基準改定で、地上滑走の限界点をHOLDING POINTと定めた。
HOLDING POINTは誘導路上に設定する。RWY27の場合、B1をHOLDING POINTとして地上滑走させる。B1に近づいた所でタワーにコンタクトさせ、B RWY進入の許可を出す。
「CONTACT TOWER APPROACHING B1.」と指示された場合、余裕を持ってタワー前ぐらいでコンタクトを。




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2013年1月2日水曜日

機長への道は副操縦士昇格直後から始まる!(機長養成講習会)支援


機長への道は副操縦士昇格直後から始まる!(機長養成講習会)が、2012年11月14日、大阪国際空港ターミナルビルで開催され、西日本支部支部委員2名が支援いたしました。

定期運送用操縦士取得を目指す方が参加され、ANA機長・航空従事者試験官・運航審査官から、定期運送用操縦士に求められる知識・考え方等を学びました。
講師により言葉や表現は違っても、結局同じことをおっしゃっていました。
つまり・・・

ルールを守る。
Airmanship(思考)の部分が重要。
機長になると注意してくれる人はいない。自分を自分で評価・修正できるためには、積極性が必要。
無意識の操作はエラーの元。飛びつかない。視野を広くして、操作は意識を持って。
知識は機内で使えてなんぼ。記憶しているだけではダメ。理解(説明ができる)、応用(自分の物として使える)まで。