2011年12月3日土曜日

航空法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令公布

「航空法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」および「航空法関係手数料令の一部を改正する政令」が公布されました。

[要旨]
①准定期運送用操縦士の資格の創設に係る規定の施行期日を平成24年4月1日とする。
②航空身体検査証明の有効期間の適正化に係る規定の施行期日を平成24年4月1日とする。
③特定操縦技能の審査制度に係る規定の施行期日を平成26年4月1日とする。
④准定期運送用操縦士取得に掛かる手数料が定められた。

2011年5月25日公布
航空法の一部を改正する法律(法律第五〇号)
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2011年12月2日公布
航空法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令
航空法関係手数料令の一部を改正する政令
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国土交通省ホームページ

2011年11月30日水曜日

管制・情報懇談会終了

社団法人日本航空機操縦士協会西日本支部・八尾空港協議会共催の第24回近畿地区管制・情報懇談会が、11月11日、八尾空港総合ビルで開催され、60名の方にご参加いただきました。

講師のみなさまには大変お世話になりましてありがとうございました。

2011年10月30日日曜日

運航安全セミナー参加

10月28日、大阪空港事務所で開催された、大阪FSC航空管制運航情報官主催、運航安全セミナーに、支部委員2名が参加しました。

セミナーの内容は次のとおりです。
 ・飛行計画新様式について
 ・世界へ発信! 「AIS JAPAN」の有効活用
 ・積乱雲について
 ・小型航空機安全対策について 特定操縦技能の審査について
 ・FSCサービス提供に関するディスカッション

詳細につきましては、後日このHPでご報告いたします。

航空安全講習会支援

10月29日、大阪市中央区・ドーンセンターで開催された、社団法人日本航空機操縦士協会・社団法人滑空協会主催の航空安全講習会に、支部委員1名を派遣し、支援を行いました。

麻生講師による「プロセスで安全を確保する」の講義では、人間はミスをする動物であり、ミスの連鎖を断ち切るにはどのような取り組みが必要か等について学ぶことができました。

吉田講師による「事故の遠因を考える」の講義では、VFR Flight into IMCは死亡事故に繋がること、滑空機ではハードランディングと曳航中の事故が継続していること、バリアブルクロスウインドはラインでも非常に注意を払っていること、失速からの回復は時期を逸すると制御できない機首下げになり、回復時制限荷重を超える場合があること等を学びました。

また「トピックス(法改正、航空援助施設縮退、空域等)」の講義では、特定操縦技能審査制度施行へ向けた進捗状況等を知ることができました。

今回は主に滑空機の方を対象にした講習会でしたが、飛行機やヘリコプターのパイロットにも非常に勉強になるものでした。


航空安全講習会プログラム

2011年10月18日火曜日

航空安全講習会支援

昨日、大阪市中央区・ドーンセンターで開催された航空安全講習会に、支部委員2名を派遣し支援を行いました。

講習会には47名の自家用・事業用操縦士の方に参加いただきました。


ラインで行われているLOFTという訓練を、小型機用にアレンジした訓練では、飛行中、次々に問題が発生したと仮定し、グループで対処を検討し、問題を克服しました。


航空安全講習会プログラム

2011年10月17日月曜日

航空機騒音の軽減について

東京航空局から次のお願いが出されました。

[要旨]
ヘリコプターの騒音軽減につきましては、運航者の皆様にはかねてから航空機騒音の低減のための高度維持、居住地域に騒音が集中しないよう飛行経路の配慮等を行っていただくようお願いしてきたところですが、首都圏における騒音苦情は依然として多数寄せられている状況にある。

別添のとおり運航者に対して騒音軽減の依頼を行っておりますので、趣旨をご理解いただき関係する会員の周知をしていただくとともに、引き続き騒音軽減のための協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

原文

鳥衝突報告要領一部改正、鳥衝突情報共有サイト利用要領制定

航空局から次の通知が出されました。

[要旨]
鳥衝突報告要領を一部改正した。
鳥衝突報告要領 原文


鳥衝突情報共有サイトを開設するとともに、鳥衝突情報共有サイト利用要領を制定した。
鳥衝突情報共有サイト BIRD STRIKE INFORMATION JAPAN
鳥衝突情報共有サイト利用要領 原文

航空保安業務処理規程一部改正

航空局から次の通知が出されました。

[要旨]
航空保安業務処理規程の一部を改正した。

��1) 航空局では、滑走路誤進入事案の発生を契機に、類似性を有した航空便名を解消するための対策(類似コールサイン対策)について、これまでの評価運用を踏まえ、類似便名対策調整会議等において検討してきたところであるが、同会議において、類似便名が存在する際の対策の一つとして、無線電話呼出符号の「数の読み方」を工夫することが一定程度有効であるとの確認がされたことから、管制業務上の手続きについて所要の見直しを行うこととしていた。

��2)「滑走路状態表示灯(RWSL)システム」については、今年度の東京国際空港を皮切りに、順次評価運用が進められていくこととなっているが、それに際し、当該システム運用時の管制業務上の手続きに係る規定を新設する必要がある。

��3) 本年10月1日から東京航空交通管制部内及び東京国際空港において、TMUが運用開始されることに伴い、関係規定を整理する必要がある。

��4) その他、管制承認の発出にあたって、他の航空機の関係で地上待機させる場合や当該出発制限を解除するための規定及び用語、緊急状態時等における航空機の管制上の優先的取扱いについて、これまで管制課が主宰する「管制方式基準改正ワーキンググループ」を通じて順次検討を行ってきたところであるが、今般、当該検討の結果を踏まえ、ICAO PANS-ATM(Doc 4444)に準拠しつつ関係規定、手続き等の最適化を図る必要がある。

通知 原文
航空保安業務処理規程第5管制業務処理規程の一部改正について
改正概要(個別事項の説明)
平成23 年度航空保安業務処理規程第5管制業務処理規程改正 新旧対照表(平成23 年9 月22 日施行)

RNAV航行の許可基準及び審査要領改正

航空局から次の通知が出されました。

[要旨]
RNAV航行の許可基準及び審査要領を改正した。

通知 原文
RNAV航行の許可基準及び審査要領 原文

高松VORTACのVOR部分が廃止

6月30日に廃止された信貴VORに続き、7月28日に高松VORTACのVOR部分が廃止されました。

広島西飛行場でのIFR運航は不可

広島西飛行場に設置されていたVOR・DMEとローカライザーは9月22日で廃止され、IFRでの飛行はできなくなりました。

2011年8月17日水曜日

支部長会議派遣

7月29日、JAPA本部で開催された支部長会議に、支部委員1名を派遣しました。

支部長会議では、支部活動報告、支部運営細則改正の検討等を行いました。

2011年7月2日土曜日

航空保安業務処理規程第5管制業務処理規程の改正について

経路指定視認進入は、航空機相互間に目視間隔を設定していましたが、一定の条件を満たす平行滑走路においては、目視間隔を設定しなくても管制間隔があるものとみなすこととするため、航空保安業務処理規程第5管制業務処理規程の一部が改正されます。

航空保安業務処理規程の一部改正について
新旧対照表(平成23 年8 月25 日施行)

夢は叶う Yes I Can支援

(社)日本航空技術協会と(社)日本航空機操縦士協会主催の夢は叶う Yes I Canが、6月26日、大阪国際空港ターミナルビルで開催され、西日本支部支部委員2名が支援いたしました。

ラインのパイロット、整備士さん、CAさん、グランドスタッフさんが、会場へ集まった航空業界に興味のある青少年へ向け、仕事の内容の紹介、質疑応答、グループミーティングを行いました。


飛行機が不時着水するという設定で、客室乗務員の指示に従い、衝撃防止姿勢をとる参加者。

改正航空法公布

5月25日の官報で、改正航空法が公布されました。
内容は准定期運送用操縦士創設、特定操縦技能審査制度創設、身体検査有効期限適正化です。
詳細はこれから決まる国土交通省令で決定されます。

特定操縦技能審査は全ての操縦士が対象で、飛行前の一定期間内において、操縦技能審査員(民間)の審査に合格していないと、操縦できなくなります(監督者の下での練習は可能)。

施行は特定操縦技能審査が3年以内、他は1年以内です。

2011年5月25日公布
航空法の一部を改正する法律(法律第五〇号)
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信貴VOR廃止

VORの縮退がついに始まり、その第1歩として、6月30日に信貴VORが廃止されました。
今年度中に秋田・那須・浜松・高松のVORも廃止されます。

ASI-NET FEED BACK No.2011-001発行

小型機航空安全情報ネットワーク(ASI-NET)の刊行物FEED BACK No.2011-001が発行されました。
内容は・・・

・オイル点検孔の閉め忘れ 等

詳細はこちらでご覧いただけます。

2011年5月22日日曜日

高知進入管制区が関西進入管制区に統合、6月2日

6月2日に、高知進入管制区が関西進入管制区に統合されます。

エリアは、これまでの関西進入管制区に高知進入管制区が追加されたと思っていただければ、ほぼ大丈夫です。
(細かく言うと、進入管制区の端々が緯度経度での表示される形に変わったため、微妙に違います。)

高知アプローチ・レーダー・ディパーチャーのコールサインも、関西アプローチ・レーダー・ディパーチャーに変更されます。

高知進入管制区統合後の関西進入管制区

航空保安業務処理規程第5管制業務処理規程の改正について

平成23年6月2日に高知ターミナル管制所が関西ターミナル管制所へ統合され、また平成23年7月1日に下地島ターミナル管制所に替わって先島ターミナル管制所が運用開始されることに伴い、航空保安業務処理規程第5管制業務処理規程の一部が改正されます。

航空保安業務処理規程の一部改正について
新旧対照表(平成23 年6 月2 日施行)

2011年5月10日火曜日

区分航空図JAPA506九州新版発行

区分航空図JAPA506九州の新版が発行されました。

主な改正点は・・・
・築城TCAの変更
・宮崎目視位置通報点の変更
・広島西空港運用時間の変更
・対馬空港運用時間の変更、
・種子島空港運用時間の変更
・佐賀空港運用時間の変更
・kanon, Tsushima VOR/DME運用時間の変更
・RNAVルート若干の追加および位置通報点の追加変更
・航空路、直行経路の変更
・磁針等偏差線の変更
・鹿児島TCAの一部変更
・その他

ご注文はこちらからどうぞ。

ATCコミュニケーションハンドブック ―滑走路誤進入を防止するためにー

滑走路誤進入防止対策推進チーム会議が発行した「ATCコミュニケーションハンドブック ―滑走路誤進入を防止するためにー」によりますと、「2007 年9 月から2009 年7 月までの1 年10 か月の間に発生した11 件の滑走路誤進入と滑走路上で発生したインシデントを、ATC コミュニケーションに特化して解析したところ、「滑走路誤進入が発生するメカニズム」と、インシデントを防止するために欠かせない「パイロットと管制官自身による方策は何であるか」が少し見えてきました。今回は、それを基に現場の管制官とパイロットが共通の認識を構築するための一助という主旨で、滑走路誤進入の防止に向けた具体的なアイディアをハンドブックにまとめました。」とのこと。

<主な内容>
・不具合事例から何を学ぶか
・ATC コミュニケーション の“スゴ技”をめざして
・滑走路誤進入等ATC コミュニケーションに起因するインシデントのケーススタディー
・ケーススタディーから学ぶ滑走路誤進入に関するインシデント防止対策のまとめ

滑走路誤進入は、小型機・大型機に関係なく発生しています。
人間はミスする動物です。
ミス事例を学ぶことで自分の教訓にしたり、ミスの兆候に敏感になりミスの手前で断ち切ることが、大事なのではないかと思います。
是非ご覧になって、みなさんの運航に生かしていただければと思います。

ATCコミュニケーションハンドブック ―滑走路誤進入を防止するためにー

2011年4月25日月曜日

安全阻害飛行等について

国土交通省から次の通知が出されました。

[要旨]
平成23年3月25日に発生した川崎ヒューズ式OH-6D型とセスナ式172型の重大インシデント調査報告書が公表され、次のように記載されている。
・両機がお互いに相手機の位置を誤認し、十分な見張りを行っていなかった
・急旋回、急停止、蛇行飛行、急降下(螺旋降下又はセットリングウィズパワー)等は、一旦科目を開始すると、仮に他の航空機を視認できても途中で針路、高度を変更することには困難を伴うことがある

次の事項について周知徹底を。
・航空機の姿勢及び高度を短時間で変化させる科目(急旋回、急停止、蛇行飛行、急降下(螺旋効果又はセットリングウィズパワー)等)を行う場合は、他の航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがないことを確認すること
・法92条ただし書の申請をするときは、申請書にその旨記載すること

通知原文
航空重大インシデント調査報告書

小型航空機の運航の安全確保について

国土交通省から次の通知が出されました。

[要旨]
平成19年12月9日に発生したユーロコプター式EC135T2型の航空事故調査報告書が公表され、次のように記載されている。
・メンテナンスマニュアルに従った整備作業が実施されていなかった
・定期訓練でテールローター故障科目が実施されていなかった
・機長はショルダーハーネスを装着しておらず、墜落時衝撃により上体が前屈し、胸部をサイクリックに強打

次の事項について周知徹底を。
・マニュアルに従った確実な整備作業の実施
・非常操作等の操縦訓練科目の適切な選択
・ショルダーハーネス装着

通知原文
航空事故調査報告書

2011年4月18日月曜日

航空安全講習会支援


昨日、大阪市中央区・ドーンセンターで開催された航空安全講習会に支部委員2名を派遣し、支援を行いました。

講習会には25名の自家用・事業用操縦士の方に参加いただきました。

次回の航空安全講習会大阪開催は、平成23年10月16日(日)で調整に入っております。
今年度は費用が全額免除となっております。
http://www.japa.or.jp/topics/2011/110318_japaseminar.html
自家用操縦士の方に限らず、事業用操縦士等の方もご参加いただけます。
ラインで行われているLOFTという訓練を、小型機用にアレンジした訓練も実施しています。
きっとリカレントや新しい発見に繋がると思います。
日程が決定次第お知らせいたします。
この機会に是非ご参加ください。

2011年4月10日日曜日

ソーシャルネットワークへリンク可能に

全ての記事が、次のソーシャルネットワークへリンク可能になりました。

・Blog This!
・Twitter
・Facebook
・google +1
・mail

ご希望に応じて、ソーシャルネットワークでの記事拡散をお願いします。
(旬が過ぎた記事は随時削除しております。ご了承ください)

2011年4月2日土曜日

操縦士実地試験実施細則一部改正

「操縦士実地試験実施細則」(飛行機)、(回転翼航空機)及び(飛行船)が一部改正されました。
詳細は下記JAPA本部HPでご確認ください。

http://www.japa.or.jp/topics/2011/110328.html

2011年3月26日土曜日

JAPAメールマガジン開設

JAPA本部からの情報を転載します。

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全国の皆様へ

いつも大変お世話になっております。
日頃より協会活動へのご理解とご協力を頂きましてありがとうございます。

さて、当協会では、航空局通達始め、各種イベント案内などメール通じてご案内しておりますが、
JAPAホームページリニューアルに伴い、メルマガを設置することとなりました。

��月1日以降、各種情報提供につきましては、メルマガを通じてご案内をさせて頂きますので、
引き続き情報提供をご希望される方は、JAPAメルマガへの登録をお願い致します。

これまで同様、各種情報を皆様に提供させて頂きますので、ご登録をお待ちしております。

登録方法
QRコードを呼び出し、メール送信をお願いします。
または、regmailmag1@japa.or.jp宛てに空メールをお送りください。
送信後、登録した旨、返信メールが届きます。

配信停止のご案内などは4月1日以降、ホームページを参照ください。

2011年2月25日金曜日

第1回関西ブロック合同管制技術交流会報告

日時:2011年1月28日(金)
場所:関西空港事務所 1階 講堂

「感想」
関西進入管制区内には多くの空港がある。
関西進入管制区の周辺にも多くの空港がある。
関西進入管制区内及び周辺の空港を離着陸する航空機が関西進入管制区を多数飛行しており、混雑した空域である。
各空港の出発経路・到着経路がいろんな所で競合しており、高度制限を付ける等して間隔を保っている。
VFR機はTCAアドバイザリーやレーダーアドバイザリーを受けて、IFR機の経路と競合しないよう注意が必要である。


「開会あいさつ」
関西空港事務所 銭亀隆英先任航空管制官

管制技術交流会をこれまで各空港事務所で行っていたが、全国を6ブロックに分けて行うようになった。
関西ブロックは関西・大阪・八尾・神戸・高松・岡山・高知・航保大。
高知進入管制区が今年関西進入管制区に統合される。
来年は高松も。
統合後も同様なサービスを提供できるよう努力する。
交流会の目的は管制官とパイロット・運航者の意思疎通。


「航空管制の安全性向上について」
日本ヒューマンファクター研究所 本江彰研究主幹(元JAL機長)

日本航空機同士のニアミス事故の最高裁判決で裁判長は「本件は、そもそも、被告人両名が航空管制官として緊張感をもって、意識を集中して仕事をしていれば、起こりえなかった事態である」としている。
実際は逆で緊張しすぎるとエラーが発生する。
平常時もエラーは普通に発生する。
最高裁は人間を理解しておらず、ヒューマンエラーの捕らえ方を根本的に誤っている。
エラーは人間の特性で、懲罰では直らない。
情報を開示し分析することが再発防止に繋がる。
当時TCAS RAが発生した時の管制官の対応は決まっていなかった。
組織事故という視点が欠落している。
業務上過失致傷罪が成立するには、判断や行為によってもたらされる事態について予見することが可能であったかが重要。
この事例で結果予見は無理である。

管制保安部の依頼で発足した管制アドバイザリーチームが、伊丹滑走路誤進入等を調査。
柳田邦男座長はまず「誰かが気付きチェーンが切られた成功例ととらえよう。この防護壁が将来も続くか、防護壁をもう少し増やした方が良いか検討しよう」と。
調査よりエラーは人と人のコミュニケーションの中で発生していること、音声通信によるコミュニケーションの脆弱性等が分かった。
一般的エラーは注意喚起では防げず、エラーを引き起こすような組織要因に目を向ける必要がある。

気付きを褒める。
「安全第一」の標語だけではダメ。
上が安全を求めていることを具体化に伝えることが、現場の勇気に繋がる。
人間の行動7割が自動化。
見ているけど見えてない。
指差呼称は有意識化のひとつの方法。

全スレットの内1/4がATCに関するもの。
その内10%がエラーになった。
管制官とパイロットが相互にスレット理解することが必要。
パイロットのスレットがパイロットエラーに発展しATCスレットになる。
ATCスレットを防ぐにはパイロットに働きかけることが重要。


「関西空港における経路の遵守について」
関西空港事務所 水本亮一主幹航空管制官

関空は環境に優しい空港。
住居騒音の影響等を考え、努めて海上を飛行し、陸地上空を低高度で飛行しない。
大阪府・兵庫県・和歌山県の陸域上空ではベクターは行わない(一部(LILAC ARRIVALの北側、Y544の南側)除く)。
観測局が31ヶ所あり、騒音・経路・高度を測っている。
逸脱すれば報告書を作成する。
23時から6時の間はAIP RJBB AD2.20に記載のSIDのみ可(騒音軽減)。
交通安全・効率に加え、周辺環境に配慮し、約束を守り、真摯に向き合い、丁寧に説明することで、飛行可能な陸域エリアを拡大してきた。
経路・高度の遵守を(逸脱に注意を)。


「GBAS(衛星航法による精密進入着陸システム)の概要と開発動向」
独立行政法人電子航法研究所 福島荘之助研究員

GBAS(ジーバス)とは衛星を利用した進入着陸システム。
地上装置1式で複数の滑走路に複数の進入方式を設定できる。数十年後にはILSからGBASへ完全移行。
機上装置GLS(GNSS Landing System)は、B787に標準装備、B737NG・A320等にオプション。
2030年には旅客機の半数に装備が見込まれる。PFD表示・操縦ともILS同様。
アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアでCAT-Ⅰ評価中。

日本では電子航法研究所が96年からGBASを研究。
関空へGBASプロトタイプを設置し、今年2月から3月にかけ飛行実験を行う。


「質疑応答」

[関西空港関係]
運航者:北側から関西空港へ向う到着経路が遠い。関西コリドーを作ってはどうか?
管制官:大阪空港があるため難しい。陸地部を高い高度で来てから降ろすのもメリットがない。地元と経路の約束があり事務所としては難しい。
大阪局:対地元、騒音対策のことがある。

運航者:関西RWY24時、淡路VORあたりから200ktにスピードコントロールされると3~4分到着が遅れる。
管制官:先行機との間隔の関係がある。

運航者:関空のTAXIの経路がR→L-TWY→P-TWYと、離陸前の忙しい時にクランクが続く。海外では到着機は滑走路側、出発機はターミナル側が一般的である。
管制官:出発機をL-TWYに入れると、J4東の貨物エリアでプッシュバック機があると待つことになる等の理由で、P-TWYに入れた方が良い。

運航者:短いA-RWYを出発用、B RWYに着陸用にしている理由は?
管制官:場面の管制処理利便性(地上滑走距離。パラレルの数(A-RWY端は他機を追い越せるが、B RWYは追い越せない))。周辺上空の管制処理(RWY06R MAIKO FIVE DEPは2500ft以上の高度制限が付いていて、神戸出発機を1500に押さえたら1000ftの間隔で同時リリースできる。RWY06Lは2500FT以上の高度制限がないため、時差で出さざるを得ない。またKNE R-318にどこで乗るのかが決まっておらず、ヘビー機がゆっくり曲がると、神戸機とのレーダー間隔取りにくい。RWY24時、RWY24R出発機とLILAC ARRIVALが競合。RWY24R出発機とRWY24Lのミストアプローチが競合。RWY24RのVISUAL APPROACH機がGO AROUNDした場合、どこへ逃がすかが問題。270°でベクターすると次のVISUAL APPROACH機と競合等)。

[TCAアドバイザリー関係]
運航者:TCAアドバイザリー中の高度変更は通報が必要?
管制官:VFRの高度を指示する立場にないが知っておきたい。義務はないがVFR機同士も含めて管制間隔を取っていることが多い。TCAS RA防止、他の席との調整にも有用。

[大阪空港関係]
管制官:大阪空港はテールが10ktを超えない限りRWY32を使用。数年前はRWY14が2%あったが、現在はRWY32が99.1%。

運航者:大阪空港の管制官にとってILSとRNAVどちらが都合良い?
管制官:ILSの方が都合良い。RNAVは天気が悪いと32Lに振りにくいが、ILSからなら32L・32Rどちらでもいける。RWY32L到着機が5NMなら、出発着出せる。出発機がなければ32L、出発機があれば32Rに振れる。RWY32R対象機はパフォーマンスが許せば32Rをアクセプトしてほしい。そうすれば出発機を早く出せる。

運航者:OHDAI 13,000FTからショートベクター、MUGIE FL190からショートベクター、事前に知らせてほしい。
管制官:OHDAI 13,000FTが高いという認識はある。しかしOHDAIの東は12,000FTまでセントレアの空域。セントレアと調整し早めに降下させることがある。NATCH 11,000FTでACCからセントレアに移管される。セントレアRWY36の時はどんどん降ろすが、RWY18の時はまだ高い。

管制官:明らかに5分遅れる。高い方が良いか、低い方が良いか? 分かっているなら高いほうが燃費良い?
運航者:B767・B777はすぐ降下するが、B737-8は降りにくい。機体パフォーマンスを見ながら。


「レーダーシミュレーター体験」
関西空港事務所内に最新式レーダーのシミュレーターがある。
前席・後席に分かれていて、前席のレーダー画面には訓練生が座り飛行機をベクターする。
後席のレーダー画面には教官が座り訓練生がベクターする飛行機の諸元をシミュレーターに入力する。

シミュレーター体験(レーダーの管制官の体験)のため前席に着座。
大阪到着機、OHDAIから1機、南から2機という設定。
まずどの順番に降ろすかを決める。
その順番になるようベクターする(到着機を並べるためにベクターで使えるエリアは思うより狭かった)。
MVAを考慮しながら降ろす(金剛山付近はMVAまで降ろすとGPWSが鳴るため、直径数マイルの円が表示され、そこを避けるようにベクターする)。
MIDOHに近づいたら、アプローチクリアランスを出し、大阪タワーにコンタクトさせる。その時6NM間隔に並んでいるのが理想。
レーダー画面右のボタンを押せばMVAやFIX名を表示できるが、地名は表示されない。
土地勘のない管制官は地図帳を開いてその地名を探している(FIXで言えば管制官はすぐ分かる)。
ライン機はレーダー上をゆっくり動くが、3機をベクターしたり高度を降したりで、結構バタバタ。
そうしているとあっという間にMIDOH手前までやってきてしまう。
そこにIFRのルートを理解していないVFRがフラ~ッと割り込んできたら、私が管制官だったら「勘弁してよ」と思うはず。
またIFR機にからむ場所で撮影時、待たされるのも納得できたような気がする。
でも実際はラインの隙間を見つけてそこに撮影機を差し込もうと管制官が努力してくれていることを私たちは知っている。
管制官がプロの対応をしてくれているのだから、撮影機もプロの対応が必要だと思う(見やすい飛行要望書だとか、短い無線とか、無線を聞き逃さないとか、タイミングを逃さない飛行とか・・・)。

2011年2月1日火曜日

ASI-NETにドキッとしたこと教えてください

小型機航空安全情報ネットワーク"ASI-NET(アシネット)"の目的は、皆様の「ヒヤリ・ハット体験」を共有することにより、事故の未然防止を図ることにあります。
ASI-NETが目指すのは「失敗を罰する文化」ではなく、「失敗に学ぶ文化」です。
報告によりあなたの貴重な体験報告が多くのパイロットを救うかもしれないし、またあなたは自分ひとりの体験の何十倍もの情報を得ることもできます。
皆様の事例報告を積極的にASI-NETへお寄せください。
なお航空局はASI-NET参加組織ではなく、提供された情報に直接アクセスすることや、ASI-NETに情報の提供を求めることはありません。
もし航空局が何らかの経緯により情報を知ったとしても、その情報のみにより行政処分を行うことはありません。
ASI-NETホームページ http://asi-net.atec.or.jp/

新滑走路標識へ順次変更中

航空法施行規則が改定され、接地点標識が廃止、目標点標識(エーミングポイントマーキング)が新設、接地帯標識と停止位置案内標識が変更されることになりました。
平成23年7月までに順次変更されることになっています。

図は長さが2400m以上の滑走路の場合の新標識です。

新標識の詳細はAIC028/08をご覧ください。

ASI-NET FEED BACK No.2010-003

小型機航空安全情報ネットワーク(ASI-NET)の刊行物FEED BACK No.2010-003が発行されました。内容は・・・

・習慣に隠れる盲点!
・ヘリコプターと小型飛行機との接近
・航法援助施設上空でのニアミス
・荒川上空でニアミス
・あと10分着陸が遅かったら
・芦ノ湖で天候急変「濃霧」 他

詳細はこちらでご覧いただけます。

航空保安業務処理規程第5管制業務処理規程の一部改正について

平成23年1月13日に飛行方式設定基準(平成18年7月7日国空制第111号)が改正されることに伴い、福井空港及び沖永良部空港にBasic-RNP1 による標準計器出発方式並びに旭川空港にRNAV 進入方式が設定されることを受け、航空保安業務処理規程第5管制業務処理規程の一部が改正されました。

航空保安業務処理規程第5管制業務処理規程の一部改正について
Basic RNP1資料
平成22 年度航空保安業務処理規程第5管制業務処理規程改正 新旧対照表(平成23 年1 月13 日施行)

対空援助業務を実施する空港における出発待機/解除の指示に係る手続きついて(通知)

対空援助業務を実施する空港(RADIO/REMOTE)における、出発機への管制承認の発出に係る手続きについて、通知を受けました。

��.内 容
出発機に対し、「HOLD FOR RELEASE.」の用語を使用して地上待機させた後、当該指示を取り消す場合は、次の用語が使用される。
★出発を許可します。
RELEASED FOR DEPARTURE.
[例] ATC clears J-Air 2264 released for departure.

��.適 用 日
平成23年2月1日

対空援助業務を実施する空港における出発待機/解除の指示に係る手続きについて(通知)