2012年8月11日土曜日

有視界飛行方式による運航の安全確保について

航空局より次の通知が届きました。

[概要]
運輸安全委員会は北海道の山中に墜落したセスナに関する航空事故調査報告書(説明資料)を公表した。

同報告書によると、機長は、雲を避けて雲の下に降下したところ、山岳部の雲が低く広範囲の十分な視界が確保できず、山岳地形を十分に視認できなかったため、海上に引き返す判断をしたものの、その判断をした時期が遅すぎたことから、山の尾根に墜落した可能性があるとされている。

再発防止策として、有視界飛行方式による飛行において、最低安全高度を維持して飛行することが困難な状況に遭遇することが予想される場合には、
①機を失することなく雲を避けつつ飛行経路を変更するか、又は目的地を変更すること
②航空機の装備及び性能を考慮した上で、適切な時期に計器飛行方式に変更し、管制機関にレーダー誘導を要求する選択肢もあることを念頭に置くこと
などが必要であるとしている。

航空局では「有視界飛行方式による運航の安全確保について(平成14年4月30日、国空航第86号)」を発出し、指導を求めてきたところであるが、その後も小型機が有視界飛行方式による飛行にもかかわらず、雲中等を飛行したために事故に遭遇した可能性のある事案が発生している。

有視界飛行方式における悪天候に起因する航空事故を防止するため、今回公表された事故調査報告書を周知し、「有視界飛行方式による運航の安全確保について」で示している基本的事項を怠ることが重大な危険性を招くことを十分理解すること。

有視界飛行方式による運航の安全確保について(平成24年8月2日、国空航第359号)