AIRAC 航空路誌改訂版に、2012年9月20日から有効になる、新しい管制用語が掲載されました。
" TAXI TO HOLDING POINT ~."という用語です。
滑走路誤進入が多発し、いろいろな再発防止策を実施していますが、残念ながら滑走路誤進入が減っているとは言えない状況です。
この用語も滑走路誤進入をなくすために導入されたものと聞いています。
パイロットは、この新しい用語を覚えるだけでなく、導入された背景を忘れないで欲しいと思います。
あと、滑走路誤進入が発生するのは、この用語で地上滑走の許可をもらった直後ではなく、この用語で地上滑走の許可をもらい、数分間地上滑走した後というケースが多いのではないかと思います。
地上滑走の許可をもらった直後はその内容をしっかり覚えていても、数分間地上滑走しているうちに、内容を忘れてしまったり間違ったりすることは、人間であれば十分考えられることです。
インターセクションを通過する前や滑走路に入る前に、地上滑走の許可の内容を自ら再確認し、もし不安があれば管制官に地上滑走の許可の内容を確認する。
さらに、そのインターセクションを通過して良いのかどうか、その滑走路に入って良いのかかどうかを自問自答すると良いのではないかと思います。
また、地上滑走の許可の経路がいつもと違う場合も注意です。
ついつい、いつもの経路で地上滑走してしまいがちです。
慣れや自動化と呼ばれる現象です。
管制官・パイロット双方が協力して、滑走路誤進入を撲滅しましょう!
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AIRAC 航空路誌改訂版 改訂番号NR15/2012
発行日2012年8月23日 有効日2012年9月20日 より抜粋
Runway-holding point(滑走路停止位置)
航空機又は車両が滑走路手前で停止及び待機する場所であって、当該滑走路に接続する誘導路上における位置。
出発機は、次の用語により使用滑走路の滑走路停止位置までの走行が指示される。
" TAXI TO HOLDING POINT ([holding point designator]) (RUNWAY[number]) (VIA[route])."
" TAXI (VIA[route]) TO HOLDING POINT ([holding point designator]) (RUNWAY[number])."
例:
"Japanair 3051, taxi to holding point runway 34L."
"All nippon 205, runway 16R, taxi via W9,A to holding point A1."
走行経路上において滑走路を横断する必要がある航空機は、当該滑走路の滑走路停止位置までの走行が指示される。この場合、次の用語により滑走路の横断が明確に指示されない限り、滑走路停止位置で待機しなければならない。
"CROSS RUNWAY [number]. "
例:
"All nippon 2142, runway 16L, taxi to holding point B10,via C, contact tower ."
"All nippon 2142, cross runway 16L, taxi via B to holding point B1. "
"Japanair 91, runway 16L, taxi to holding point L11 runway 16R via P6, L, contact tower 118.1. "
"Japanair 91, hold short of runway 16R, traffic B787 departing from A11. "
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